家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

古民家に隠された知恵

明治時代の文豪の生家が、

千葉の九十九里に残されています。

見るからに豪農の家であり、

使われている木材の太さも合わせて、

当時の家としては

相当に立派な家であったと

思われます。

その南面縁側ですが、

これを見ると、

このつくりに先人の経験と知恵を

見つけ出すことができます。

何よりも目を引くのは

軒の出の深さです。

茅葺の厚い屋根が軒の長さを

さらに伸ばしています。

当然のように茅葺では軒先に

樋をつけるわけにもいきません。

雨は長い軒先から、

庭に落ちます。

軒先から落ちた滴が土に撥ねて、

建物にかかると

傷みやすくなります。

しかし滴の落ちるところでは、

じつは植物は育ちません。

滴の落下点から、

少し内側にはずして

植栽を植えることで、

土の落ちた滴の跳ね返りを

草がしのいでくれるようになります。

この準備ができれば、

雨の日には茅葺の軒先から落ちる滴も

楽しめるようになります。

また、普通の古民家と違い、

この家でちょっと不思議なのは、

窓の真ん中に

大きな柱が立っていることです。

この家が建つ九十九里の地は、

東北沖から続く千葉東方沖の

地震が多いところです。

半島が形成される地中には、

活断層があることは、

今、能登の地震でも

改めて知らされました。

当然のことながら、

この地に暮らす人たちは、

そのことを知っていたのでしょう。

現在のように、

構造計算はありませんが、

柱を増やすことは、

経験の中から出てきた

結論であったのでしょう。

窓の明かりよりも、

この地では柱を増やすことの方が

大切であったのです。

日本中、

古民家は変わらないように見えても、

その地域に合わせたつくり方が、

生かされているのです。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。