家づくりこぼれ話!
こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。
日常生活に潜むリスク
どうして私たちは、より安全、
より安心を求めるのだろうか?
「行く川のながれは絶えずして、
しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、
かつ消えかつ結びて久しく
とどまることなし。
世の中にある人とすみかと、
またかくの如し」。
鴨長明が800年ほど前に
方丈記で書きのこしたように、
基本的に私たちの日常は
儚いものでした。
ゆえに、
より安全、より安心を求めて
暮らしは変わってきました。
この変化はこれからも
続くことでしょう。
経験的にしか安全を
考えられなかった頃と異なり、
いま、
私たちは格段に安全な世の中を
生きています。
しかしながら、
方丈記にあるような災いが
いきなり降りかかってくることは
決して皆無ではありません。
ここでは、
まず日常生活に潜むさまざまなリスク、
なかでも住まいに関係して
私たちの健康な生活を脅かす
リスクについて考えてみたいと思います。
シックハウス。
ダニやカビ
住まいのリスクといえば、
何といっても空気質でしょう。
70年代から使われ始めた
面材やサッシが、
それまで普遍的な存在であった
隙間風をなくし、
私たちが意識しないうちに
室内で発生した化学物質の濃度が
極端に高くなり、
90年代にシックハウスとして
広く社会問題となりました。
一般雑誌でも「住原病」と呼んで
70年代の公害に匹敵する
社会的不安を呼び起こしました。
このため2000年頃、
広域かつ集中的な
実態調査が行われ、
室内空気室濃度の実態が明らかになり、
これをもとに2003年、
建築基準法で
原因物質の一つホルムアルデヒドの
低減方策が義務化されました。
それ以降、問題の程度は
かつてに比べると
相当小さくなったと思います。
対照的にダニやカビといった
微生物による健康被害が
増えています。
東日本大震災の仮設住宅でも、
ダニによるぜんそく被害が
多発していることが
報告されています。
アレルギーの外来治療で有名な
相模原病院でも、
もっとも原因として大きい
スギに次いで、
ほとんど変わらないレベルで
ダニがアレルゲンとなっていることを
報告しています。
鴨長明
平安時代末期から鎌倉時代にかけての
日本の歌人・随筆家。
世捨て人となり山奥での
隠遁生活の心境を綴った
「方丈記」は日本三大随筆の一つ。
シックハウス症候群
新築や改修後の住宅内で起きる体調不良のこと。
目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、
頭痛、湿疹など人によって症状は様々。
接着剤や塗料に含まれる
ホルムアルデヒドなどの有機溶剤のほか、
カビや微生物がその原因物質となる。
本日はこれまでです。
あたらしい家づくりの教科書からでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。