家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

住まいの文化価値

東日本大震災から、

干支が一回りしました。

人口動態統計にも刻まれるほど、

大きな被害を残し、

忘れられない人も多いはずです。

大津波によって、

被災地では街や道路といった

社会インフラが傷つき、

国を上げての復興事業が

進められてきました。

ただ元に戻せば

良いのではありません。

将来に同じ災害に遭わないよう

回避する術を継承していく

必要があります。

そのためには、

文明的な対策と

文化的な対策があります。

文明的な対策とは、

たとえば大津波の経験に基づき、

新しい想定で

防潮堤をつくることです。

あるいは

人工地盤をつくって

その下を津波が抜けるように

街をつくるとか、

人間の文明技術を駆使して

対策を進めることです。

しかし

日常的に長い時間を

生活していると、

防潮堤で海が見えなくなり、

地盤や高台から海との行き来を

煩わしく思うことなどで、

いずれ守られなくなってしまう

可能性があります。

一方、

文化的な対策とは、

たとえば避難訓練です。

避難訓練を続けることは、

津波の恐怖を忘れないように

してくれます。

文明的な対策に頼るあまりに、

安全であると信じてしまうことが

避けられます。

避難訓練と同じ

文化的な対策として、

石碑を立てることがあります。

明治29年の

大津波による被害を、

忘れないために立てられた石碑が

残されています。

「高き住居は児孫の和楽

想え惨禍の大津浪

此処より下に家を建てるな」

2011年の東日本大震災でも、

石碑の60m手前で

止まったといいます。

日常の利便性は

災害を忘れさせてくれますが、

子や孫や末代を守るためには

忘れないことが

何よりも大切なのです。

住まい文化の中にも、

大きな価値が残されているのです。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。