家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。

国の政策が住宅の寿命を短くした

寿命が短い大きな理由は、

高度経済成長との関係にあります。

昭和40年代、都会に人が集まり、

通勤圏が郊外へ拡大するにともなって、

たくさんの住宅が必要になりました。

団地と呼ばれるベットタウンが

大都市近郊のあちこちに造成され、

集合住宅や分譲住宅が整備されました。

個々の家の質よりも、

大量供給が優先されたのです。

金融機関の住宅ローンが整備されたのも、

この時期でした。

都会に出てきた人の持ち家志向は、

一気に高まりました。

将来も上がり続けるであろう給料に期待し、

ローンを組んで住宅購入に

踏み切る人が続出したのです。

あたらしい家が建てば、

家電や家具も売れます。

当然、住宅産業全体は潤いますし、

住宅市場の動きが経済全体の

指標になっていることで明らかなように、

住宅需要の喚起は

いっそうの経済拡大につながります。

そのため家の寿命は短いほうが、

当時の国の政策として都合がよかったのです。

日本で中古物件を選ぶ人が少ない理由

日本の住宅の寿命が短いもう一つの理由は、

中古物件の売買が少ないことです。

「令和2年度、住宅経済関連データ」は、

年間の「新築住宅着工戸数」と

「既存住宅取引戸数(つまり中古物件)」の

国際比較も紹介しています。

アメリカは、

新築着工が125万戸に対して、

中古物件の売買は534万戸で、

全体の81%を占めています。

イギリスはもっと顕著で

新築着工が16万5000戸に対して、

中古は100万8000戸。

実に85.9%が中古物件です。

アメリカとイギリスでは圧倒的に

中古物件の取引が多いのに比べ、

日本では、

新築着工が94万2000戸に対して、

中古は16万戸。

14.5%の割合でしかありません。

つまり日本の住宅マーケットでは、

常に新築物件が求められていることがわかります。

アメリカには、

中古物件の価格が下がりすぎないように

新築住宅の供給制限がある、

という理由があります。

それとともに日本では、

特に戸建てについて過去の図面も

メンテナンスの履歴もないような、

どんな人が住んでいたかわからない家には

住みたくないという気持ちが強いようです。

建物自体も、

長持ちするように建てられていません。

住宅の寿命が38年と短い背景には、

住む人が替わると、そのまま住める家でも

壊して立て直すことを

繰り返してきた事情もあるわけです。

しかしもはや、

高度経済成長期ではありません。

これから家を建てるなら、

限りある資金を有効に有効に使うためにも、

住み心地に優れ、健康的な暮らしができ、

なるべく長持ちする家を

建てたほうがいいことは明らかです。

そのうえで、

価値ある資産として持ち続けること、

財産としていずれ我が子に譲り渡すこと、

あるいは高値で売却すること、

なども念頭に置くべきでしょう。

本日これまでです。

トクする家づくり損する家づくり からでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。