家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

行儀のよい人

中世の

欧州に残された文献には、

極東の国としての日本が

紹介されています。

そのイメージは、

とても文化度の高い国として

書かれていました。

長い旅の間に、

さまざまな国の風習を

見聞きして、

たどり着いた日本の品格の高さに

驚かされたのです。

その印象は深く、

そして長く残されてきました。

あの有名な

ガリバー旅行記でも、

最後の渡航地に

日本が描かれています。

その文化度の高さは、

市民の行儀のよさとか、

几帳面さに表れていたと

思われます。

この行儀と几帳面という言葉。

じつは、

とても身近なところに

原義があります。

まさに

住まいにかかわる言葉でも

ありました。

昔の茅葺の屋根は、

木の桟に引っかけるのではなく、

土居葺きという土を使った

瓦の載せ方をしていました。

屋根の野地板の上に

厚く土を載せて、

その上に瓦を並べてゆくのです。

そのため屋根の仕事は、

左官が手がける仕事でも

あったのです。

左官の仕事の善し悪しが、

いかに平らに壁を塗るか

ということであるように、

瓦を並べるときに、

いかに平らで歪みがなく

揃えられるかというのが、

腕の見せ所でもありました。

そして、

この作業のことを、

行儀を整えるといいます。

確かにまっすぐな木に引っかけて

並べるのに比べたら、

土の盛り方ひとつで

歪んでしまう土居葺きは

難しい仕事です。

それだけに、

行儀のよい瓦の並び方を見ると、

左官職人の仕事ぶりの良さが

際だって見えたことでしょう。

その左官の仕事を

讃えるのと同じように、

人の行状も同じ言葉で表しました。

いわば、

行儀のよい人は、

正しく美しく瓦が並んだような人

ということなのです。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。