家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

家は人の鏡

家の作りやうは、夏をむねとすべし

兼好法師が記した『徒然草』ほど、

日本の住まい文化として

引用されるのが多い古典はありません。

今からおよそ700年前の、

鎌倉時代から南北朝時代の人々が、

どのような住宅感を

持っていたかが読んでみると、

わかります。

随筆として全部で243段もある中、

冒頭の第55段の他にも、

住まいに関わる話があります。

徒然に語られた随所の文章に、

当時の住まい文化を

感じることができます。

『徒然草』で、

最初に家のことが出てくるのは、

第10段です。

家居のつきづきしく、あらまほしこそ、

仮の宿りとは思えど、興あるものなれ

この文章に続いて、

家の姿は景色の中になじみ、

似合っていることが

素晴らしいと語っています。

さらに続く記述を現代流に訳せば、

技巧ばかりを凝らし、

世界から先端のものを集めて

飾り立てる家は、

見苦しくわびしいとあります。

兼好法師の目で見れば、

唐風の家や時代に合わない家が

たくさん建っていたのでしょう。

仮の宿だからこそ、

好き勝手にしたい

という考えもありますが、

無常感の法師の目には、

どうせすぐにも荒れ果ててしまうのに、

余分な装飾を凝らしていることが

無駄に思えたようです。

この後に結論が書かれています。

家居にこそ、ことざまはおしはからるれ

その家の姿を見れば、

そこに住む人がどのような人なのか

ということがわかるというのです。

そうです、

家は住む人の鏡になっているのです。

松下幸之助も同じことを語り、

私邸である光雲荘を建てました。

分不相応は

もっとも避けるべきことですが、

家居を見ただけで、

自分を見抜かれるとあれば、

気にしないわけにもいきません。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。