家づくりこぼれ話!

こんにちは 

建物と土地とお金のプロ菅原です。

住まい文化の栞

芸術品か、技術品か

日本の古来の家づくりは、

大きく三つの職種に

支えられていました。

大工と左官と建具師です。

墨掛大事、糸引大事、手斧打大事と、

大事仕事を行う

工人としての大工の技を受けて、

左官が屋根や壁を仕上げ、

建具師が

窓にぴしゃりと建具をはめ込みます。

現代ではこうした職人さんが

腕を利かす機会も、

大きく減りました。

大工さんの裁量で

強度が確保されていたものは、

構造計算に裏付けされた

強度になりました。

もちろん誰でもが

公平に判断できる基準は

大切なことです。

しかし、

逆に計算基準には

歴史がありません。

想定外の事態を受けて、

構造計算も年々改良が重なります。

それにもまして、

各職人さんの減少が

問題になっています。

手技による技術の衰退と、

品質安定化の新技術は、

どちらが先ともいえません。

そしてその差が、

物事に対する価値の差を

生み出しています。

たとえば、

現代の建具は多くのものが

アルミ製になりました。

複雑な形状も、

トコロテンのように

押し出して成型することで、

大量生産ができます。

限られたコストの中で、

機密性能などは

昔に比べたら

格段に良くなりました。

どんなに

手技に優れた建具師でも、

同じ性能を実現するのは

難しいでしょう。

しかし建具師は、

大工以上に

細かい木工秘術を持ち、

材量の木材も

構造材以上に厳選した

銘木を使います。

しかも、

その技術が廃れてゆくとなれば、

古びてこそ価値が出るものです。

まさに芸術品と一緒です。

技術品をとるか、

それとも芸術品をとるのか。

文化を失わないためには、

職人の造るものも

大切にしなければなりません。

本日はこれまでです。

おうちのはなしからでした

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。