家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地とお金のプロ菅原です。

進化する工業化住宅

木造住宅の工業化「プレカット」

プレハブ住宅の推進状況は

「質の高い住宅の供給」を目的にして、

国土交通省の着工統計の中でも

集計するようになりました。

しかし、

近年になって大手住宅メーカーの手がける

プレハブ住宅のシェアは落ちるばかりです。

そのうえ、

プレハブ住宅だから質が高いとは限りません。

その意味では、

プレハブ住宅の役割が変わってきたと

考える方が適切かもしれません。

この期間にツーバイフォー工法も、

増えつつあります。

同工法は、

複雑な仕口などの木材の加工技術は

必要としないので、

ちょっと習った大工でも建てられる工法です。

決まった材寸の木材を組み合わせるという意味では、

まさに工業化された住宅といえます。

一方で、

じつは大工さんの数は大きく減っています。

本来であれば、

難しい職人の技術を継承しなければ

できない建築の仕事のはずです。

こうした現状を可能にしたのは、

プレハブとは別に、

一般木造住宅の工業化が大きく進んだからです。

大工さんが加工するのではなく、

工場で構造材を切削加工する

「プレカット」の技術によって実現したのです。

1994年には20%前後であったものが、

今ではプレカット率は90%を超えています。

CAD・CAMの情報処理

こうしたプレカットの技術による

住宅の工業化を大きく推進させたのは、

他のさまざまな製品と同じように

情報処理の進化によるものです。

現場で実際に建てなければわからないことも多い

建築の世界では、

コンピューターの仮想空間の中に実寸で建てて、

さまざまな角度から検証ができることは大きな進化です。

3Dの画像処理を含めたCADの技術により、

設計業務の革新が図られました。

さらにはこのCADデータが、

工場生産のデータにまで連動しています。

木造住宅は、ひとつひとつの柱や梁が、

大入れや蟻・掛け、大蟻、鎌継ぎなどの

複雑な加工によって結合することで

強度を発揮します。

CADによって仮想空間で立体化した

建物の部材端部の仕口を、

1mm単位の精度で加工して、

工場で生産するところまで可能になりました。

これをCAMといいます。

ひとつの部材があれば、

その両端に加工が必要であり、

それを取り合う部分も加工を必要とします。

これらの加工を、コンピューターによって

制御された機械で高い精度で行うことは、

想定された強度を確保できることにつながります。

住宅の工業化としてのプレカットの技術は、

間違いなく品質の向上と

大工さんの手間の低減を実現しているのです。

本日はこれまでです

おうちのはなしからでした。

では、では。

「家づくりを通じて、

ご家族が幸せになるお手伝いをする」

私の使命です。