家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地のプロ菅原です。

 

 

階段の位置

 

 

多くの住宅を設計していると、

マドリの個性は階段の位置で

決まっているように感じることがあります。

 

 

特に2階の部屋の配置は、

ほぼ階段の位置によって

パターンが絞られてしまいます。

 

 

たとえば、2階の中心部に昇れば、

無駄な廊下もなく各部屋に入れますが、

 

 

2階の端部に階段上部があると、

相応の廊下を必要とすることになります。

 

 

階段の位置によって、

より効率的な居室空間の確保が

決まるということです。

 

 

このような効率的な空間以上に、

階段の位置には大切な要素があります。

 

 

それは、家族間の関係や、

家族と仲間との関係を

どのように考えるか

という深い人間関係とのかかわりであり、

 

 

子どもへの教育方針とも

かかわっているのです。

 

 

玄関ホールにある階段と、

 

リビングから上がる階段では、

家族や子どもの生活動線が変わります。

 

 

玄関にある階段では、

子どもは帰宅して親や家族の顔を

見ることもなく

自分の部屋に入れますが、

 

 

リビングからの階段では動線が交差するので

顔を合わせる機会が増え、

引きこもり対策になるといわれています。

 

階段は2階に上るだけの機能だけではなく、

 

 

子どもがどんな人に育ってほしいかという

親の願いを込める場所でもあるということです。

 

 

このため近年になって、

玄関ホールに階段をつくることは

減ってきました。

 

 

一方、家族がくつろぐ

リビングから見えるところに

階段が設置されるので、

それなりのデザイン性も

求められることになります。

 

 

階段が境界

 

 

さらに深く、

階段の位置は家族と仲間との関係を

考えさせることがあります。

 

 

家はそもそも、

社会というパブリックの中にある、

プライベートな空間です。

 

 

その境界は玄関にあって、

ひとたび玄関に入れば、

 

 

そのプライベートの中に

家族の生活が守られています。

 

 

しかし、この家族というパブリックの中に、

個人というプライベートがあります。

 

 

リビングやダイニングが

家族のパブリックであり、

個室が家族のプライベートです。

 

 

そして、多くの家では

社会のパブリックに近い

 

 

1階にリビング・ダイニングを設け、

2階に個室をつくります。

 

 

そのように考えると、

玄関と同じように家の中にある階段が、

 

 

家族の中のパブリックと

プライベートとの境界となります。

 

 

本日はこれまでです

おうちのはなしからでした。

 

 

では、では。

 

「家づくりを通じて、

              ご家族が幸せになるお手伝いをする」

 

私の使命です。