家づくりこぼれ話!

こんにちは 建物と土地のプロ菅原です。

 

 

階段の品質

 

 

広く考えれば、

段差間の移動を可能にしてくれる階段は、

ほぼすべての家にあるといえます。

 

 

ごく普通に考えても、

こうした段差のある場所は

事故の起きる可能性も高いものです。

 

 

もし、階段に品質があるとすれば、

いちばんに考えなければならないのは安全性です。

 

 

この建築基準法施工令で

階段の蹴上(けあげ)と踏面(ふみづら)の

寸法が定められています。

 

 

学校や公共施設などの多くの人が

使う場所に比べて、住宅の階段は緩く、

 

 

幅75cm以上 蹴上23cm以上 踏面15㎝以上

 

規定が緩いということは、

それだけ急な階段もできるということです。

 

 

この最低の基準通りに階段をつくっては、

日常的には使いにくくなります。

 

 

さらに、住宅の品質確保に関する法律でも、

等級による基準があります。

 

最低の基準は、

 

踏面19.5cm以上 55㎝以上≦×2+踏面≧65㎝

 

階段の勾配は22/21以下

 

と定められています。

 

 

仮にこの勾配に従い、

踏面21㎝・蹴上22㎝とすれば、条件をクリアします。

 

22㎝×2+21㎝=65㎝

 

 

しかし、踏面=底辺よりも、

蹴上=高さの方が大きいということは、

その勾配は45°以上あるということです。

 

 

実は、この基準も、

おすすめできるような階段になりません。

 

 

品確法の等級4以上では、

勾配の基準は7/6以下となり、

 

 

踏面が同じ21㎝であれば

蹴上は24.5㎝以内です。

 

 

毎日使うことになる階段は、

少なくともこの基準を

クリアしてしておきたいものです。

 

 

階段の設計

 

 

法律で安全な階段の寸法を

守るにはコツがあります。

 

 

単純に、2階までの階高を

蹴上寸法で割った段数がなければ、

昇きることはできません。

 

 

またその段数に踏面寸法を

掛けた長さの空間が必要となります。

 

 

このことから、

階段の質である蹴上や踏面の寸法は

階段スペースに困って決まり、

勾配が急になって使いにくくなることの多くは

スペースが足りないことが要因です。

 

 

階段の面積は、

それぞれの階の面積に

算入しなければならないので、

居住スペースを確保するために、

階段面積を制約してしまいがちです。

 

 

たとえば窮屈な階段の例として、

 

 

1坪分のスペースに設置された

箱型階段では、

回り部分を3分割した階段を見かけます。

 

 

しかし、品確法では回り部分を

6段に分割するのは危険であるとして

制限しています。

 

 

実際にそのような階段では、

降りるときに怖いと感じる人も

少なくないはずです。

 

 

同法では60°-30°-30°-60°の4分割としていて、

この場合13段の階段となります。

 

 

また、直階段の場合に最も多いのは、

1畳半のスペースを利用するものですが、

この場合も段数は13段となります。

 

この段数で設計し、

少しゆとりを持たせた勾配にした場合には、

2階の階高を抑えておかなければ

昇りきれなくなってしまいます。

 

 

階段は転落という家庭内事故の起きうる

場所でもありますので、

 

 

できることであれば、

さらに2段分の階段数を確保して

15段分のスペースを確保して

設計しておくのが良いでしょう。

 

また、できるかぎり3分割とならないように

することも大切です。

 

 

プランを見て、

3分割と階段を数えてみるだけで

階段の品質がわかるようになります。

 

 

本日はこれまでです

おうちのはなしからでした。

 

 

では、では。

 

「家づくりを通じて、

   ご家族が幸せになるお手伝いをする」

 

私の使命です。