家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
オランダからの知恵
近年、日本各地で
大規模な洪水が頻発しています。
普段は穏やかな河川も、
降り続ける雨によって
たちまち氾濫し、
住民や街を脅かす事態となります。
洪水の危険に直面したとき、
私たちは、どのように
立ち向かうべきなのでしょうか?
日本では、
治水の重要性が
古くから認識されており、
治水技術の進化が
住民の命を守るために
大きな役割を果たしてきました。
たとえば、
戦国時代の武田信玄が築いた「
信玄提」がその代表例です。
この堤防は、
洪水に対する防御力を高めるため、
川の流れを意識した
巧妙な設計が施されてされていました。
信玄提は、
単に水をせき止めるだけではなく、
洪水のリスクを減らすために
川の流れを調整するという
発想が特徴的です。
現代の治水技術の礎となったのは、
明治時代にオランダから
導入された高度な土木技術でした。
オランダは国土の7割以上が
海面下にあるため、
古くから水管理に力を入れており、
その知識と技術は日本にも
大きな影響を与えました。
その中でも、
オランダの技術が
活かされた代表的なものが、
日本の淀川や木曽川で
採用された「沈床」(ちんしょう)です。
これは川底を掘らずに、
木の枝を組んだ粗朶(あらた)
という網を沈め、
その上に堤防を築く方法です。
粗朶沈床の技術は、
まさに地盤改良の
手本ともいえるものです。
粗朶を使うことで、
崩れにくい堤防が
つくられると同時に、
土や水よりも軽いため、
元の地盤に与える影響を
最小限に抑えることができます。
現代の道路や堤防でも、
土をそのまま盛るのではなく、
軽くて圧縮に強いESP (発泡スチロール)
を敷きこんでから土をかぶせる工法が
一般的に使われています。
このように、
明治時代からの学びが
現代においても新しい素材で
受け継がれているのです。
ESPに対して
「ちょっと心配」
と思うかもしれませんが、
みなさんも毎日のように
その上を行き来しているのです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。