家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
住まい文化の栞
日本人の「巣」まい
「すまい」という言葉に
「巣」という漢字が使われている
箇所があります。
気になって、
少し詳しく調べてみました。
そもそも、
『万葉集』や『日本書紀』では、
漢字が万葉仮名として使われています。
もし単に「す」という
音を表すためであれば、
ひらがなの原形である「寸」や、
カタカナの元になった「須」などから
用いれられてもよいはずです。
このほかにも、
「周」「酒」「州」「洲」「珠」
「数」「酢」「栖」「渚」など、
さまざまな漢字が「す」の音に
あてられてきました。
漢字はもともと象形文字から
始まったとはいえ、
初めて見た人が
意味を直感できるような
ものではありません。
基本的には、
中国語の発音を聞いて、
それに近い音を日本語に
当てていたと考えられます。
ところが、
いくつかの万葉仮名の一覧を調べても、
「巣」が「す」として使われている例は
あまり見つかりません。
つまり、『古事記』では
単に音を表すためではなく、
「すまい」という言葉の意味を
ふまえたうえで、
「巣」の字が選ばれたのではないか
と考えられるのです。
これは、
万葉仮名の使用が日本流に
こなれてきた証でもあるのかもしれません。
鳥が雛を育てる場所を表す「巣」の字を
使っているということは、
すなわち「巣まい」
つまり家そのものが
子育てのための場所である、
という考えを
示しているように見えます。
とはいえ、
もともと日本の伝統的な家屋には
「子ども部屋」という発想は
ありませんでした。
終戦後、
西洋の住宅様式が取り入れられてから、
子ども部屋が一般に広まったとされています。
つまり、
『古事記』の時代には
子ども部屋など存在しなかったのです。
そう考えると、
「巣」という漢字に込められた意味は、
部屋の構造ではなく、
家の本来の目的が「子育て」にある、
という思想だったのでしょう。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。

