家づくりこぼれ話!
こんにちは
建物と土地とお金のプロ菅原です。
放射と気化
エアコンや暖房器具を用いて
「気温」を管理する事が一般的です。
しかし、エネルギー消費や
環境負荷が問題視される中、
昔ながらの「放射熱」や「気化熱」を
活用した住環境づくりも
忘れてはいけません。
放射熱は、
物体が赤外として熱を放出する現象です。
人類最初の暖房方法とされる焚火は、
放射熱を直接利用するものでした。
火の近くにいることで寒さをしのぎ、
炎から発せられる赤外線が
身体を温めました。
また、
古代ローマの床暖房システム
「ハイポコースト」は、
熱い空気を床下に通して石床を暖め、
その放射熱が
室内全体に届いていました。
西洋の暖炉も、
火や煙突の放射熱を利用して
室内をじんわり暖める
仕組みを持っています。
日本では
囲炉裏が同様の役割を
果たしました。
火の放射熱は
家族が暖を取るだけではなく、
家の中の木材を乾燥させたり、
燻したりして
腐らないようにしました。
今よりもずっと
隙間風の吹くような家ですが、
極寒を凌ぐことができていたのです。
気化熱は、
水が蒸発する際に
周囲から熱を奪う現象です。
日本の土間で水を撒くと、
蒸発によって温度が下がり、
怜放射によって涼しく感じられます。
中東では陶器や革の水筒に水を入れ、
外側に滲み出した水が
気化することで中の水を冷やす
工夫が行われてきました。
現代では、
これらの知恵を再解釈し、
緑のカーテンや自然換気を利用した
設計も考えられています。
こうした放射熱を活用した壁や床材は、
空気温度を過度に上げずに
快適な暖房を実現します。
また、
現代のヒートポンプも、
考えようによっては
気化熱を上級に扱っているといっても
過言ではありません。
これらを取り入れた環境づくりは、
持続可能で快適な暮らしを
可能にします。
自然の知恵を再び見直すことで、
未来の環境がより豊かになることを
期待したいものです。
おうちのはなしからでした
では、では。
「家づくりを通じて、
ご家族が幸せになるお手伝いをする」
私の使命です。

